キズや汚れから強いワックスフリー床ですが、表面のフィルムの寿命は3~5年なのでそれ以降は一般的なフローリングと同じです。
つまり何もしないと、徐々に痛んできます。
ワックスフリー床にワックスがけが不要なのは、最初だけってご存じですか?
これまでに100種類以上の床ワックスに関するアイテムを使ってきたマニア。使い方や商品の違いなど、初心者の方にも分かりやすく解説しています。ワックスに関する知識は日本一かも?
本記事では、ワックスフリー床と通常のフローリングとの違いや、ワックスフリー床の見分け方・メンテナンス方法。
対応した床ワックスについて紹介しています。
ワックスフリー床とは?
フローリングには、1枚の板で作られた無垢フローリングと合板・集成材を合わせ表面に木目調のシートを張った複合フローリングがあります。
ワックスフリー床は複合フローリングの1つで、木目調シートの上にフィルムが張られたものになります。
下記はワックスフリー床の断面です。
下から順に、合板
集成材 合板 集成材 合板 WPB(ウッドプラスチックボード) 木目調のシート フィルムとなっています。木目調のシートとフィルムの厚さは肉眼では分からないほど薄いです。
表面のフィルムの種類には光沢があるタイプや、つや消しタイプ・汚れが付きにくいものなど様々な種類があります。
また呼び方はワックスフリー床以外に様々です。
- ワックスフリー
- ノンワックス
- ワックスレス
呼び方が違うだけでどれも同じになります。
- 一般的なフローリングに比べ、汚れ・キズが付きにくい
- 水拭きで簡単に汚れが取れる(汚れの度合いによる)
近年フローリング材にはワックスフリー床が使用されているケースが多く、ホームセンターの品揃えでは全体の約9割がワックスフリーの床材です。
ワックスフリー床の見分け方
近年ではワックスフリー床の比率が増えています。
フローリング材を販売しているホームセンターの品揃えでは、およそ9割はワックスフリー床です。
見た目は、ほぼ同じに見えるためプロでも判断するのは難しいです。
素人が見て判断は不可能なので、簡単な見分け方を含め3つ紹介します。
- 築年数で判断する
- フローリング板の巾が広い
- 床にテープを貼りワックスが剥がれるか確認
順に解説します。
築年数で判断する
ワックスフリー床が普及されたのは、数十年前からなので築年数が20年以上の住宅(リフォームなし)以外は、ワックスフリーの可能性が高いです。
近年の新築物件やリフォーム時に使用される床材のほとんどは、ワックスフリー床です。
フローリング板の巾が広い
全てが当てはまるわけではありませんが、ワックスフリー床は板のつなぎ目部分の巾が広い傾向にあります。
下記の写真のように板の巾が広い物はワックスフリー床の可能性が高いです。
対して、ワックスフリーでないフローリングは以下の写真の通りです。
床にテープを貼りワックスが剥がれるか確認
しっかり確認するには、床の一部分にワックスを塗って試す方法です。
塗る面積は、手のひらサイズ以下で大丈夫です。
床にワックスを塗って完全に乾かしてから、表面にテープを貼ります。
粘着力が高すぎるものは避けて、セロハンテープや養生テープなどを使用します。
しっかり貼ってから、剥がしてみます。
ワックスフリー床の場合、ワックスの密着性が悪いため、ワックスが剥がれるか、テープ側にワックスが付くかのどちらかです。
剥がれない場合は、ワックスフリーではないフローリングになります。
塗った部分を剥がす場合は、アルカリ性の洗剤をタオルに噴射して表面をこすると、徐々に剥がれていきます。
床に直接スプレーしたり、頻繁におこなうとフローリングが痛むため、ご注意ください。
ワックスフリー床の掃除方法
普段の掃除は掃除機がけやドライシートで拭き取るだけです。
ウエットシートやぞうきんでの水拭きは週1回で十分です。
乾いたモップを使用する際には、化学ぞうきんにご注意ください。
代表的なものはダスキンのモップなどです。体育館で使用するモップなども同様で、化学変化が起こり床の表面が白く変色する場合があります。
水拭きする際は固く絞ったぞうきんで拭いてから乾拭きをおこないます。水分を弾きやすいため、乾拭きしないと拭きスジが残りやすいです。
毎日水拭きすると、フローリングの継ぎ目から水分が入り、反りや音鳴り・腐食の原因となり寿命を縮めてしまいます。
また、取れない汚れは水で薄めた中性洗剤を使って落とします。
水に濡れたまま放置すると、表面が膨れることがあるため早めの拭き取りが大事です。
ワックスフリー床にワックスがけが必要な理由
ワックスフリー床には「フィルム」が付いているため、汚れが取りやすく、汚れにくいメリットがあります。
ただし「歩行や物を動かした際に起こる摩擦」や「物を落とした衝撃」などにより、フィルムの寿命は3~5年です。
フィルムが無くなると光沢感や耐キズ性は通常のフローリングと同じになります。
何も対処しないと徐々に汚れやキズが付いてフローリングの寿命を縮めてしまいます。
ワックスを塗ると、フィルムと同じ役割を果たしてくれるため、床材もキレイで長持ちします。
ワックスフリー床に対応したおすすめのワックス10選
ワックスフリー床には対応したワックスを塗る必要があります。
対応していないワックスを塗ると、密着せずに剥がれたり、塗りムラになりキレイに出来ない場合も。
密着しない原因は、フローリング表面のフィルムとワックスの被膜との間に、空気中の水分や水滴が入り密着を悪くするためです。
ワックスフリー床の他に、UV塗装された床も同様です。
フロアコーティングの一種で、紫外線によって固まる特殊な液体。ワックスフリー床同様にワックスとの密着性が悪い。
ワックスフリー対応ワックス10選まとめ
人気の種類や、ハウスクリーニングのプロも使用しているもの・ペット用など10種類の対応したワックスをご紹介します。
商品画像 / 商品名 | ハイテクフローリングコート | フローリング専用ワックス | フローリング専用ワックスつやなし | ノンブライト | オール | オールプレミアム | 滑り止め床用コーティング剤 | 防水タフコート | スタイルコートライト | スタイルコートダーク |
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容量 | 1L | 1L | 1L | 500ml | 1L | 1L | 500ml | 1L | 1L | 1L |
耐久期間 | 6ケ月 | 1年 | 1年 | 6ケ月 | 6ケ月 | 1年 | 6ケ月 | 1年 | 1年 | 1年 |
光沢度 | 70点 | 75点 | 5点 | 10点 | 71点 | 80点 | 78点 | 81点 | 64点 | 42点 |
滑りにくさ | ||||||||||
耐水性 | ||||||||||
総合評価 | ||||||||||
参考価格 (Amazon) | 1,500円 | 1,391円 | 1,618円 | 1,600円 | 637円 | 1,780円 | 3,232円 | 4,355円 | 1,859円 | 1,855円 |
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ワックスフリー床に最適「ハイテクフローリングコート」
ワックスメーカーの「リンレイ」と床材メーカーが協力し、約7,700種類もの床材を研究して作られた最も密着性の高いワックスです。
業務用サイズには4Lタイプと18Lタイプがあります。業者にワックスがけを依頼すると高確率で使用されます。
どのワックスを使用するか迷った場合には「ハイテクフローリングコート」を使用すれば問題ありません。
自宅の床が複合フローリングだけど、ワックスフリーなのか分からないという場合には、剥がれる心配がないので安心して使えます。
また意外な使い道として、「加水分解したテント」などにも使用されている方もいます。
耐久性1年とコスパ良い「フローリング専用ワックス」
フローリングに最適な「自然なツヤ」と、「人が歩きやすいと感じる滑りにくさ」になるように調整されています。
耐久期間が1年あり、使用後は落ち着いたツヤになります。
ワンランク上のものが良い方におすすめで、コスパが良いワックスです。
落ち着いた空間にしたいなら「フローリング専用ワックスつやなし」
つやが出ないタイプのワックスです。
元々ツヤがある床には使用できない(効果が無い)と記載されているのですが、使用すると光沢度が抑えられます。
ツヤがでないことによってリラックスできたり、集中力が増して「勉強や作業がはかどる」といった良い面や、キズが目立ちにくいメリットがあります。
寝室や書斎など落ち着きたい場所に使用するのがおすすめです。
ツヤを消すなら「ノンブライト」
容量は500mlのみです。つや無しとは違い、「つや消し」タイプのワックスになります。
元々光沢がある床やツヤの出るワックスが塗られている部分に使用するとツヤが消えます。ただし光沢度の加減によっては完全にツヤが消えないことがありますのでご注意ください。
元々ツヤが無い床や、ワックスを塗っていない床の場合は「フローリング専用ワックスつやなし」の方がコスパが良いです。
ワックス売上No1リンレイ「オール」
床ワックスと言えばコレ。というほど知名度が高いワックスです。
日本で一番売れている人気のワックスで、価格が安い割に性能が価格以上に高いです。
フローリング以外に、クッションフロアや化学タイルにも使用でき、汎用性抜群です。
耐久期間が6ケ月と短めなので、ワックスがけの手間を減らしたい方は耐久期間1年以上がおすすめです。
2023年最新のワックス「オールプレミアム」
日本一売れている「オール」の上位版です。
耐久期間は1年です。オールに比べて耐久期間と光沢度がUPしています。
抗菌性があるため、菌やウイルスの繁殖を防ぎます。小さな子供やペットがいる家庭におすすめです。
1㎡あたり約17円とコスパの良いワックスです。
2,000円以下で購入できる樹脂ワックスの中で最も優れた性能があります。
ペット用ワックス「滑り止め床用コーティング剤」
ペット用(わんちゃん用)で滑り止め効果を発揮します。
フローリングで滑ることで関節症になり歩けなくなる前に、床で滑らないために作られたワックスです。
滑りにくくなる以外にも床のグリップが増すことにより、今まで歩くことができなかったわんちゃんが歩けるようになることもあるようです。
大型犬より、小型犬の方が効果が表れやすいです。
50種類以上のワックスの中で一番滑り止め効果が高いワックスでした。
シートタイプもあります。用意するものは掃除用のワイパーだけで塗ることができます。
個包装になっており、1枚あたり約6畳分(1部屋)の面積に使用できます。
「滑り止め床用コーティング剤」は主にペット用ではありますが、高齢者の方に向けてや、階段でのスリップ対策などの安全対策にも有効です。
キッチンなどの水回りに最適な「防水タフコート」
耐水性抜群で、水に濡れたまま放置していても床の表面が白くなりにくい特徴があります。
一般的にワックスは水に弱く、濡れたままで放置すると床の表面が白く変色します。
一度白くなった部分は基本的には元には戻らないため、部分的にワックスを剥がして再度塗り直す必要があります。
耐水性が高いので、キッチン周りや玄関付近など、水滴が飛びやすい場所におすすめです。
明るい色のフローリング用「スタイルコートライト」
明るいフローリングの悩みは「歩行頻度の高い場所の汚れや黒ずみが目立ちやすい」ことが多く、スタイルコートライトは汚れを付きにくくして、目立ちにくくします。
ツヤはそれほど高くなく、元々の床に少しツヤがでたかな?と思うくらいの自然な光沢感です。
日々のメンテナンスに専用のクリーナー「スタイルクリーナーライト」もあります。
シックな色のフローリングに最適「スタイルコートダーク」
濃色フローリングの悩みは「イスの引きずりキズや、細かなスリキズが目立ちやすい」が多く、スタイルコートダークの効果は、細かいキズを補修して目立ちにくくし、新しいキズを防いでくれます。
光沢はそれほどなく、ツヤ無しに近いような見た目になります。
日々のメンテナンスに専用のクリーナー「スタイルクリーナーダーク」もあります。
ワックスフリー床の床にワックスを塗る方法
基本的に通常のフローリングと塗り方は同じです。
下記は初めてワックス塗る(2度塗り)場合の5ステップです。
ウエットシートでの掃除後は完全に乾燥するまで待ちます。乾燥する前に塗ると、洗浄成分により塗りムラが出来てしまいます。
部屋の端から、木目に沿ってワックスを塗ります。
塗る際は、専用のモップが塗りやすく、1回で塗れる範囲も広いので作業効率も上がります。ワックスを注ぐ専用のトレーも便利です。
塗り漏れがあった場合は乾燥するまで待ち、2回目の時に塗ります。
季節や天候によって乾燥時間が変わります。
1回目に塗った時と同様に再度塗ります。
3回以降になると、塗る感覚が変わってきます。1,2回目と比べワイパーの抵抗が無くなり軽く感じます。
ワックスフリー床に対応していないワックスの使い方
ワックスフリー床に対応していないワックスの中には、光沢度がさらに高い種類や、耐久期間が2年と長いものなど数多くあります。そのような種類を使えるようにするには方法は1つです。
始めにワックスフリー床に対応したもの(ハイテクフローリングコートがおすすめ)を塗ってから、2回目に使用したいワックスを塗るだけです。
一層目にワックスフリー対応のワックスで下地が作られているので何度重ね塗りしても問題ありません。
まとめ:2~3年以上住む場合にはワックスがけは必要
ワックスフリー床には表面にフィルムが付いていることによって2~3年はキレイな状態が保ちます。質の高い床材でも5年持てば良い方です。
また床ワックスとは違いフィルムのメンテナンスはできないので、一度キズや取れない汚れが付いてしまうと、元に戻すことができません。部分的にフローリング材を新しく替える以外にないので修繕費用が高くなります。
床ワックスを使用しておくと、キズや汚れが付いた場合でもワックスを剥がして、再度塗れば元のキレイな状態に戻ります。
長期的に住む場合にはワックスがけをおすすめします。