フローリングにニスやペンキでの塗装が不向きな理由。

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キズや汚れから床材を保護する。見栄えを変える。

など床を塗装する目的は人それぞれですが、フローリングを保護したい場合にはニス・ペンキのどちらも不向きです。

理由は手軽に塗布・剥離が出来ず、メンテナンスが大変だからです。

フローリングを保護するには一般的に床ワックスやフロアコーティングが主流で、他の塗料がいいメリットはほぼありません。

本記事では自分でできる塗装(ニス・ペンキ・ワックス)を比較し、なぜニス・ペンキが不向きなのかをまとめています。

※フロアコーティングは業者に依頼するため省いています。

筆者のプロフィール

これまでに100種類以上の床ワックスに関するアイテムを使ってきたマニア。使い方や商品の違いなど、初心者の方にも分かりやすく解説しています。ワックスに関する知識は日本一かも?

目次

ワックス・ニス・ペンキの特徴

それぞれの塗料の特徴です。

商品特徴おすすめ度
床ワックス耐久年数は6ヶ月~2年
手軽に塗れる
剥がしやすい

ニス耐久性能は3~5年
塗る手間がかかる
剥がしにくい

ペンキ耐久年数は1~2年
塗る手間がかかる
剥がしにくい

各製品の比較

性能バランスが良いのは床ワックスで、耐久性能はニスが3~5年と最も長く保ちます。

ニスの成分には水性ウレタンが使用されており、安価なフロアコーティングと同等の性能があります。

床を保護する観点のみではニスが1番ですが、作業やメンテナンスを含めるとデメリットが大きいです。

耐久期間は床ワックス(6ヶ月~2年)とペンキ(1~2年)と同程度です。

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手軽に塗れるのは床ワックス

作業工程と所要時間をまとめました。

種類乾燥時間その他工程全体的な手間
床ワックス約30分~1時間特になし手間が
かからない
ニス約8時間1回塗った後に
やすりで削る
手間がかかる
ペンキ約6~8時間塗る前に
やすりで削る
手間がかかる
塗る前の床掃除は省いています。

ニス・ペンキはヤスリで削る必要があるため、手間がかかります。

床ワックスを塗る工程

3つの工程で作業完了です。

STEP
床の掃除、ホコリや油分を取る
STEP
専用のワイパーやシートを使いワックスを塗る

乾燥時間は約30分

STEP
乾燥後、2回目を塗る

乾燥時間は約30分

初めての場合は2度塗りが推奨されています。

1回目は下地、2回目を塗ることで光沢度や被膜が増えるので、キズや汚れが付きづらくなります。

床にニスを塗る工程

乾燥時間が長いため、範囲によっては2日間要することも。

STEP
【目止めする】希釈をおこない、はけで木目に沿って塗り乾燥させる。

乾燥には最低でも約4時間必要

STEP
表面を平らにする

やすりなどで削り、なめらかにする

STEP
はけで2回目で塗る

乾燥には最低でも約4時間必要

ワックス同様に2回塗りますが、1回塗った後にやすりで削る必要があります。

また使い慣れていないと塗りムラになりやすく、初心者には難しいです。

目止めとは?

一般的な目止めは、木の溝に目止め用の粉を押し込み平らにする工程ですニスの場合は薄く希釈することにより、粉を押し込む工程と同じ効果が得られます。

床にペンキを塗る工程

ニスと同様に乾燥時間が長いため、範囲によっては2日間要することも。

また工程の割に、耐久性が低くはがれやすいです。

STEP
マスキングテープで壁の周囲を養生する

ペンキが飛んで壁に付かないようにするため

STEP
床材表面のツヤが無くなるまで完全に削る

密着性を高める為に#80のやすりで削る

STEP
ローラーで塗る(1回目)

乾燥時間は最低で3~4時間可能なら1日待つ

STEP
ローラーで塗る(2回目)

乾燥時間は最低で3~4時間。可能なら1日待つ

それぞれを比較すると、作業は圧倒的にワックスが手軽に出来ます。

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ニス・ペンキを剥がすのは至難。ワックスが最も手軽

下記は剥がし方をまとめたものです。

種類剥がし方使用する道具剥がしやすさ
床ワックス専用のはくり剤を使う水切りワイパー
ぞうきん など
剥がしやすい
ニス・ペンキ表面を削り取る
はがし剤・薄め液を使う
スクレイパー
ヘラ など
剥がしにくい
塗る前の床掃除は省いています。

剥がし方の違いを説明する前に、塗ったものをなぜ剥がす必要があるのか?を解説します。

剥がす必要がなぜあるのか?

塗料を塗って数ケ月、数年が経過すると、表面に汚れや細かなキズが付きます。

その都度塗り直しすれば新たな膜ができて復活します。

何度も重ね塗りを続けると塗装面の膜の間に汚れやキズが蓄積されていくため、徐々に黒ずみ見栄えが悪くなってきます。

古くなった塗装面を全て剥がすことで床材本来の色味に戻るため、剥離作業は必要な工程となります。

床ワックスの剥がし方

床ワックスは専用のはくり剤を使うと簡単に溶けるため、雑巾や要らなくなったタオルなどで拭き取れば簡単に剥がせます。

拭き残しがあると表面がベタベタするので注意が必要です。

ニス・ペンキの剥がし方

剥がし方は4パターンあります。

  1. カンナやベルトサンダーで表面を削る
  2. サンドペーパーで均等に削る
  3. はくり剤・ニス専用の薄め液を使う(ニスのみ)
はくり剤を使用しますが、ワックスほど簡単に溶けないためニスが浮き上がってくるとスクレイパーやヘラなどで物理的に剥がし取ります。

または専用の電動工具を使って削り取るしかありません。

素人がやると削り過ぎてしまい、床材がボロボロになります。

はくり剤薄め液の注意点

素材によって使用するはくり剤が異なります。間違った物を選ぶと変色や素材を傷めることがあります。

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どんな時にニス・ペンキがおすすめ?

使い勝手など基本的には床ワックスが最適ですが、使用シーンによってはニス・ペンキが良い場合もあります。

ニスがおすすめな場合

床が剥げている際などのメンテナンス向きです。

剥がさないのであれば、耐久性が高いので床ワックスよりもオススメできます。

床全体ではなくキズをつけたくない場所など、部分的に使用するのが好ましいです。

ペンキの場合

床の色を変えたい場合はペンキしかありません。

カラーワックスなどもありますが、メンテンナスとしての役割なので不向きです。

注意点は床用のペンキでないと、剝がれやすく・色移りします。

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フローリングには床ワックスがおすすめ

塗る工程、剥がす工程を比べると、床ワックスが最適です。

ニスやペンキは使用する塗料を間違えると取り返しがつかないため、ご注意ください。

ワックスの耐久性では物足りない方にはフロアコーティングがおすすめです。

フロアコーティングは高価ですが、1回施工すれば20年以上効果があります。

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この記事を書いた人

フローリングワックスのマニア。これまでに使用したワックス関連品は100種類以上。ワックスの塗り方・剥がし方、商品の性能・特徴などを忖度なしで紹介。

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