フローリングの種類は2000年代初期と比べ圧倒的に増えています。
近年フローリングの中ではワックスフリーと呼ばれるタイプがあり、従来の床ワックスを使うとうまく密着せずに、キレイに塗ることができない素材があります。
(塗りムラ・弾きなどが生じる)
そんなワックスフリー床に対して、しっかりと密着するように「7700種類以上の床材」を研究して開発されたワックスが「ハイテクフローリングコート」です。
これまでに100種類以上の床ワックスに関するアイテムを使ってきたマニア。使い方や商品の違いなど、初心者の方にも分かりやすく解説しています。ワックスに関する知識は日本一かも?
- 新築の家やリフォームした床に最適
- ワックスフリー床に対応
- UV塗装床(鏡面塗装)に対応
- 抗菌性能がある
- 初心者でも塗りやすい
ハイテクフローリングコートの特徴
- メリット、デメリット
- 商品の詳細(使える部分など)
- その他シリーズ品
上記3点についてまとめました。
ハイテクフローリングコートのメリット・デメリット
写真は重ね塗り(3回)の比較です。左側は塗っていません。
- 1㎡あたりの単価は15円と安い
- 一般的なワックスでは塗れないワックスフリーやUV塗装面に対応
- 塗り広げやすいので初心者にも安心して使える
- 耐水性があり、床が白くなりにくい
- 耐久期間は6ケ月と短め
- フローリングにしか使えない(クッションフロアは不可)
- 重ね塗り3回目までは、元の床より滑りやすくなる
幅広いフローリングに使える(密着する)性能にするために特化しているので、床材は「フローリング」のみ対応です。
商品の詳細(耐久期間・使えるところ)
商品名 | ハイテクフローリングコート |
---|---|
容量 | 1L・4L・18L (4Lにはつや消しタイプもある) |
使える面積 | 約60畳・約1,080畳 4Lで約240畳 |
成分 | 合成樹脂、水 (アクリル・ウレタン樹脂) |
使える素材 | フローリング床 (表面加工された床) UV塗装(鏡面塗装)床 ワックスフリー床 |
使えない素材 | ビニール床 油加工の床 (オイルステイン・ロウ仕上げ) 塗装されていない床 ウルシ等特殊な床 ロウワックスが塗られた床 土足で歩く床、石床 |
光沢度 | |
耐久期間 | 6ケ月 |
滑りにくさ | |
使いやすさ | |
価格 | 1,500円(Amazon価格) |
リンク |
Amazon
楽天 Yahoo |
床暖房の床に塗る場合は、電源を切って表面が冷たくなってから使用しないと塗りムラができます。
【業務用】大容量サイズや「つやを抑えたタイプ」がある
主に業務用として3種類あります。
ホームセンターなどの販売店でも、見る機会は少ないタイプです。
18Lタイプの大容量サイズ
一般家庭用の1Lタイプを業務用サイズ(18L)にしたタイプです。
ダンボールの中に分厚い袋があり、その中にワックスが入っています。大きなジャグのように袋にはコックが付いているのでレバーを回せばワックスが出てきます。
18L入っているのでとても重たいですが、コックをひねるだけで済みます。
力が弱い方でも簡単に使用できるので、幼稚園・保育園などでも活躍しているワックスです。
「4Lサイズ」2種類のつや消しタイプ(光沢値20・40の違い)
どちらもツヤがないタイプのワックスです。店舗や施設の床で、ピカピカにさせたくない場合に使用されます。
数値が低い方(つや消し20)がよりツヤがでないタイプになります。
フローリング材には、それぞれに「光沢値」があります。
元々ツヤが無いフローリング材(例えば光沢値20)につや消し40を使用する場合、本来の「光沢値20」より高いため、つやが出てしまうことがあります。
ハイテクフローリングコートつや消し40を使う場合、光沢値25以下のフローリングに使うとツヤがでることがあります。
また、つや消し20を使う場合、元々光沢値の高いフローリング材に使用すると、白っぽくなることがあります。
意外な使い道「加水分解したテント」に使用できる!?
加水分解は素材が溶けてしまう「劣化」です。
一度溶けてベタベタになったテントの場合はべた付きを取るために、専用の「防水剤ポロンT」を用いられることがほとんどですが、本格的でコストがかかるため初心者には手が出しにくいです。
加水分解とは、化学物質と水が反応して分解を起こしてしまう現象のこと。英語では「hydrolysis」と言います。加水分解すると粘着性をともなった状態で溶け出し、ベタついた肌触りに…!
引用:テントが加水分解するとどうなる?原因と修理方法を解説!
そこでテントの加水分解の対策品として、実はハイテクフローリングコートも効果があるようです。
手にワックスが付かないように(付くと指がテカテカになる)さえ注意して行えば、十分に代替えできる代物です。
詳細は「床用ウレタンワックスでベッタベタに加水分解した90年代のテントは復活したか?」でご覧ください。
【レビュー】ハイテクフローリングコートを試した感想
使いやすさ
注ぎ口の形状とワックス液の様子です。
キャップ部分はこぼれにくくなっていますが、少量づつワックスを出すとふちの部分にワックスが溜まりやすいです。
液体は乳白色で、アクリル樹脂に加えて、ウレタン樹脂が入っているのですが、サラサラで塗りやすいです。
家庭用ワックスのほとんどを使った経験から言うと、感覚的にですが「ウレタン樹脂の配合量が少ない」ので塗りやすいんだと思います。
初心者でも塗りムラになりにくくて、使いやすいです。
塗った際にうっすらと白くなる原因は、ワックスの膜が厚くなったことで起きます。乾く前に上から数回塗り直して厚みを整えることで対処できます。
光沢度は「70点」使用前後(1~3回重ね塗りした結果)
塗っていない場合(左)と、3回塗った場合(右)の比較です。※あえて光の反射が弱い角度で撮影しています。
ボトル本体の輪郭が分かるくらい、反射して見えるようなツヤがでます。
ほどほどの落ち着いた光沢感です。
下記は光の反射が良い角度で撮影した写真です。木の質感はしっかり残ります。
光の反射が良い場合は分かりやすいです。ワックスの中で光沢度は「上の下」です。
塗る前の写真
ハイテクフローリングコートを塗って1回目の使用前後
右側を1回塗って乾いた後の写真になります。
一回塗ると、うっすらと反射しています。
ハイテクフローリングコートを塗って2回目の使用前後
1回目よりも輪郭がはっきりしてきました。
「このくらいの光沢は物足りない」、とにかくツヤを出したい方には「スーパーグロス」がおすすめです。
重ね塗り2回目までは滑りやすくなる「3回目で塗る前と同じ程度」
板を傾けて、黒いスポンジが滑り始めた角度が何度になるか?検証しました。
何も塗っていない面は27度の角度で滑り始めます。対して、3回重ね塗りした面は28度で滑りました。
回数ごとの滑り始めた角度は以下のようになりました。
- 塗っていない状態→27度
- 1回目塗った後→24度
- 2回目塗った後→26度
- 3回目塗った後→28度
1回塗ると、塗る前に比べて滑りやすくなります。
床が「ツルツルになる」というよりかは、「サラサラになる」くらいで歩く分には違いが分からない程度です。
耐水性能が高く、白くなりにくい(水を垂らして1時間放置)
水を垂らして1時間放置してみました。1時間前と比べても全く変わりませんでした。
拭き取った後を見ましたが、まったく変わらず。
耐久期間が長いタイプや、光沢度が高いワックスは白くなりやすい傾向があります。
拭き取る際に「ゴシゴシ」と力を入れて擦ると、ワックスが剥がれてしまうことがあるので注意してね。
一度床が白くなると完全に元に戻すことができない場合があります。完全に戻す方法は部分的にワックスを剥がす必要があります。
ハイテクフローリングコートの塗り方
初めてワックス塗る(2度塗り)場合の5ステップです。
ウエットシートでの掃除後は完全に乾燥するまで待ちます。乾燥する前に塗ると、洗浄成分により塗りムラが出来てしまいます。
部屋の端から、木目に沿ってワックスを塗ります。
塗る際は、専用のモップが塗りやすく、1回で塗れる範囲も広いので作業効率も上がります。ワックスを注ぐ専用のトレーも便利です。
塗り漏れがあった場合は乾燥するまで待ち、2回目の時に塗ります。
季節や天候によって乾燥時間が変わります。
1回目に塗った時と同様に再度塗ります。
3回以降になると、塗る感覚が変わってきます。1,2回目と比べワイパーの抵抗が無くなり軽く感じます。
【口コミ】使った人の評価は?
マイナス評価は、ハイテクフローリングコートの特徴を知らずに使われている方がほとんどでした。
商品名が「ハイテク」とあるので、「全体的に機能が高い」と勘違いしている方が多いようです。
マイナスの口コミ
ハイテクフロー・・との商品名で期待して購入したが今まで使っていたワックスと変わりない。
引用:Amazon
我が家のフローリングの取説で基本的にワックスがけは必要無しという大前提があったものの、アイロンを倒しうっすら跡がついたので、ワックスでごまかそうと考えました。フローリングメーカー推奨のこの商品を使ってみたのですが、白くムラが残り、2度塗りしても解消されません。
引用:Amazon
プラスの口コミ
プラスの評価には、なぜか特殊な使い方をしている口コミが多く見受けられました。
キャンプで使うテントや、車のハンドルなど……。
「加水分解」の対策アイテムとして実は優れているのかもしれません。
本来の使用用途ではなく恐縮ですが、モンベルの古い、コーティングが加水分解したムーンライトテントに使用しました。
引用:Amazon
耐久性は未知数ですが、確かにベトつきと匂いがなくなりました。これは凄い。
10年近く乗った車の革巻きステアリングがベタつき始めアルコールティッシュで拭くと真っ黒に。そこにこのワックスを塗り塗りするとサラサラでグリップもよく効くようになった。ただし光沢がスゴイことになるのとウレタンには試していないので注意。
引用:Amazon
本来、ワックスをかけられないフローリングらしいのですが、こちらの商品なら使ってよいと工務店から言われて購入。とってもいい感じです。もっとはやくやればよかった。ワックスをぬるときは、別売りのクリーナーとモップを買うことをおすすめします。仕上がりが全然違いました。
引用:Amazon
まとめ:コスパ良く、光沢度・滑り止め効果を求めるなら最適
床ワックスの性能としてみると、そこまで高いわけではありません。
ハイテクフローリングコートの目的は、従来のワックスでは密着しなかった床に対して塗れるようにすることです。
自宅の床の種類が何か分からない、もしかしたらワックスフリーの床かもしれない……。
一般的なワックスだと不安…。という場合にはハイテクフローリングコートを選べば大丈夫です。
床ワックスには下記のように様々な種類があります。
- 耐久期間が長く続くタイプ
- 光沢度の高いタイプ
- 滑りにくくなるタイプ
このようなワックスが使いたいのに、うちの床はワックスフリーだから使えない…
という場合はハイテクフローリングコートを1回塗り、その上から本来使いたいワックスを塗るだけで大丈夫です。
剥離作業して、ワックスを剥がした際は同じようにハイテクフローリングコートを塗ってくださいね。