「失敗しない床ワックスの選び方」種類・形状・効果などの違いを解説

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樹脂タイプやロウタイプといった成分の違いや、シートタイプ・液体タイプなど様々な形状がある床ワックス。

床の素材によっても対応しているか確認が必要です。

効果も様々あるため、どれを使えば良いのか分からない人も多いと思います。

本記事では、それぞれの違いや各形状によってどのような特徴があるのか?などをまとめています。

筆者のプロフィール

これまでに100種類以上の床ワックスに関するアイテムを使ってきたマニア。使い方や商品の違いなど、初心者の方にも分かりやすく解説しています。ワックスに関する知識は日本一かも?

無垢材の床なのに、樹脂ワックスを買ってしまった…など。

失敗しない為にも、違い理解したうえでワックスを選んでみてください。

目次

床ワックスの種類

床ワックスの種類は4つあります。

  • 樹脂ワックス
  • 半樹脂ワックス
  • 水性ワックス
  • 乳化性ワックス

樹脂ワックス

4種類の中で最も使用されているワックスで、主成分は水と樹脂で作られています。

塗って乾かすだけで効果が得られます。

樹脂にはウレタン・アクリルの2種類あります。ウレタンが入っているものが比較的高価で、性能も高いです。※一部例外あり。

使える床はフローリング・ビニール床・石床が対象です。染み込みやすい無垢材やコルクなどには基本的に使用できません。

表面に樹脂の膜を張ることで、キズや汚れから床材を守ります。

水性ワックス

現在では、ほとんど扱われていないタイプです。半樹脂ワックスと同じく、ビニール床やプラスチックタイルに使用されます。

樹脂ワックスとは違い、塗った後に光沢を出すために乾拭きが必要です。

主成分がロウで出来ているため、使用後は滑りやすくなります。

半樹脂ワックス

「樹脂ワックス」と「水性ワックス」両方の特徴を持ったワックスです。

水性ワックスと同様にクッションフロアなどのビニール床に使用します。

塗った後の表面は「ロウ」、内側が「樹脂」になるため、樹脂ワックスに近い光沢が出ます。

水性ワックスのように剥離・再塗装がしやすいですが、耐久性は樹脂ワックスより劣ります。

乳化性ワックス

一般的にはロワックスと呼ばれていることもあり、表面塗装されていない無垢材や無垢フローリングに使用します。

主成分は天然または、合成ロウや溶剤で作られています。

塗った後は乾拭きが必要で手間はかかりますが、合成樹脂や半樹脂ワックスのように表面にフィルムを張るわけではないため、床材本来の良さを生かしながら自然なツヤを与えてくれます。

使用後は撥水性を発揮し、天然成分のみで作られている種類が多いです。

フローリングワックスの形状

4つの形状に分かれます。

  1. 液体タイプ(ボトル)
  2. スプレータイプ
  3. シートタイプ
  4. 固形タイプ

液体タイプの大半は、一般的なフローリングやビニール床に使用される樹脂ワックスです。

AURO社ではロウタイプの液体ワックスを扱っています。

スプレーやシートも同様です。

固形タイプのみ、無垢材やコルクといった材質に使用できます。

形状特徴

液体
シート・スプレーより効果が高い
バリエーション豊富
塗布後のから拭き不要(※樹脂タイプのみ)

スプレー
部分的・手軽にできる
汚れ落とし+ツヤ出し効果がある
液体タイプのメンテナンスに最適
耐久期間が短く、ワックス効果は弱い

シート
手軽にできる
汚れ落とし+ワックス効果がある
液体タイプのメンテナンスに最適
汚れを落とすタイプはワックス効果が低い

固形
天然成分の物が多く、人や環境に優しい
撥水効果がある(無垢材などに使用時)
から拭きが必要
乾燥時間が長い
特殊なタイプには、エアゾールやクリームなどもあります。

液体タイプ本格的で効果が高い

フローリングに使用するタイプの中で最も効果が高いワックスです。

耐久期間は約6ヶ月~2年で、安いもので500円程度で購入できます。

効果の高いものでは5,000円を超える物もあります。

表面のツヤ出し、被膜によるキズ耐性・滑り止め効果など発揮します。

スプレータイプピンポイントに使えてメンテナンスにも

気になる場所にピンポイントに使えて便利です。

汚れを落としながらツヤを出すため、液体タイプに比べるとワックスの効果は劣ります。

ワックスがけしていない床にも使えますが、毎週1回などの頻度で使い続けるとツヤがでてきます。

液体ワックスを塗った床のメンテナンスに最適です。

ワックス効果は1週間~1ヶ月程度。月に2回の使用を推奨されているものが多いです。

シートタイプ手間をかけずにメンテナンスにも

つやピカワックスシート
AUROワックスシート

最も手軽にできる分、ワックス効果も低いです。

シートタイプには2種類あり、ワックス効果のみのタイプワックス効果とクリーナー効果のあるタイプに分かれます。

ワックス効果のみのタイプはワックス効果が長く、4ヶ月・8ケ月の2種類あります。

ワックス&クリーナー効果のタイプの場合、ワックス効果は1ヶ月未満です。

1~2週間のタイプが最も多いですが、実際は数日でツヤが無くなるものも多いです。

「ワックス効果のみ」シートタイプのワックス

本格的な液体タイプ同様の効果を、手軽に得たい場合におすすめです。

液体タイプのワックスがシートに染み込んでいるので、ワイパーに取り付ければすぐにワックスがけができます。

「ワックス&クリーナー」ダブルの効果

汚れを取りながら、ワックスがけも同時にできるタイプですが、ワックス効果は弱い(1週間程度)ため、液体タイプのワックスを塗った後にツヤを戻すためのメンテンナスとして使用するのが最適です。

※ワックスを塗ってない床には、効果がでにくい

固形タイプ白木や無垢材用

白木や無垢材には固形タイプ(ロウ)が主流です。複合フローリングに使用するワックス(樹脂タイプ)とは違い、塗った後にから拭きが必要です。

固形タイプを使用すると、樹脂タイプ(フローリング用)は、弾いてしまい使えません。

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ワックスの選び方

最低限のワックス効果を得たい場合、「価格が安いから、手軽に出来そうだから」といった理由から探してしまうと、せっかく購入したワックスが無駄になるだけでなく、塗りムラになってしまい汚くなることもあります。

失敗しないフローリングワックスを選び方

3つのステップで選ぶと最適なワックスが見つかります。

  1. 材質に合わせて選ぶ
  2. 目的に合わせて選ぶ
  3. 耐久年数で選ぶ(価格で選ぶ)
STEP
使用する材質に合わせて選ぶ

ワックスを選ぶ際に基準となるのが床材の種類に対応しているか?

購入したのに使えない……。とならないようにご注意ください。

主な材質

  1. フローリング(複合フローリング)
  2. ワックスフリー床・UV塗装床
  3. クッションフロア(ビニール床)
  4. 化学タイル(Pタイル)
  5. 無垢材(無垢フローリング)
  6. 白木
  7. コルク
  8. 石床

※ワックスフリー床やUV塗装床はフローリングの一種ですが、対応したワックスでないとキレイに塗れません。

基本的に無垢材やコルクにはロウタイプ。それ以外は合成樹脂タイプになります。

ロウタイプから拭きが必要。
合成樹脂塗って乾かすだけ。

STEP
使う目的に合わせて選ぶ

ワックスに求める効果は何か?

  • 作業頻度を減らしたい耐久性重視
  • 傷つきにくくしたい被膜の硬さ重視
  • 見た目(ツヤ)を変えたい光沢度重視
  • 滑りにくくしたい滑り止め重視
STEP
耐久年数で選ぶ(価格で選ぶ)

耐久年数が長いほど高価になります。耐久期間が長ければワックスがけの頻度が少なく済み、剥離作業の頻度も減ります。

長期的に使用する場合、時間と労力を考えると耐久期間は1年以上のワックスがおすすめです。

例外としてペット用ワックス(滑り止め効果・引っかきキズ防止)は基本的に6カ月が最長です。

床ワックスを選ぶ3つのポイント

選ぶ順番以外に検討したい3つのポイントです。

  • 室内の塗る場所によって変える
  • 環境や安全面に配慮されているか
  • ワックスメーカーで決める

室内の塗る場所によって変える

可能であればワックスの効果合わせて塗る場所を変えると良いです。

  1. リビングは耐久期間が長いタイプ
    • 汚れやすく、面積が広いため作業回数を減らす
  2. 玄関や廊下には光沢度を重視
    • 光沢が高いと家の中が明るい印象に変わります
  3. キッチン・洗面所の水回りは耐水性を重視
    • 耐水性が低いと、水で床が白くなりやすいです
  4. 寝室・書斎は落ち着くツヤ無しタイプ
    • ツヤが無いと集中力が増しリラックスできます
  5. 階段には滑り止め効果が高いタイプ
    • 滑りにくくし、安全性を高めます
  6. お店の床なら土足対応タイプ
    • 被膜が硬い店舗用ワックスは土足OKです

環境や安全面に配慮されているか

子供やペットと住んでいる方にはシックハウス対応のワックスや、天然由来の成分のみで作られたタイプがおすすめです。

白木や無垢材に使用する、ロウタイプのワックスは天然成分だけで作られたものが多いです。

シックハウス症候群とは?

近年、住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。

参考元:厚生労働省「シックハウス症候群とは」

ワックスメーカーで選ぶ

基本的に床ワックスは、樹脂タイプかロウタイプさえ同じであれば、メーカーが違っても上から塗ることは可能です。

ワックスを作っているメーカーで有名なのは、花王リンレイです。その他にはラグロンアサヒペンなどがあります。

花王の「フローリングマジックリンつや出し」は知っている方も多いと思います。最も種類が多いのがリンレイで、様々な用途のワックスがあります。次ぎに種類が多いのがラグロンになります。ラグロンのワックスは他と比べ被膜が硬く、キズが付きにくい特徴があります。

一般的なワックス被膜の硬さ

ラグロンのワックス被膜の硬さ

万能タイプのワックスは無い?

全ての床に使えるわけではありませんのでご注意ください。

一般的に万能タイプとして扱われるものは、樹脂タイプで下記の3ヶ所に使用できるワックスを指します。

  • フローリング材(複合フローリング)
  • クッションフロア(ビニール床)
  • 化学タイル(Pタイル)

※フローリング材の中にはワックスフリーの床材もあり、万能タイプでも使用できない場合があります。

まとめ:床材と目的に合わせてワックスを選ぶ

床の素材に合うタイプは樹脂タイプ・ロウタイプどちらなのか確認した後に、目的に合ったワックスを選ぶことで失敗を防げます。

樹脂ワックスには様々な種類があり、性能もピンキリです。

下記記事では100種類のワックスをの性能を数値化し、ランキング形式でまとめていますので参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

フローリングワックスのマニア。これまでに使用したワックス関連品は100種類以上。ワックスの塗り方・剥がし方、商品の性能・特徴などを忖度なしで紹介。

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