新築の床を長持ちさせるためにおすすめな、フロアコーティング。
施工後は床へのキズ・汚れから守り、美観効果を発揮するコーティング剤の中では最上級のものです。
しかし、適切な知識がないまま行うと後悔する方も中にはいます。
- 高いコストがかかったのに、期待したほどの効果を感じられない…
- 間違ったメンテナンスを行ってしまった…など
原因はフロアコーティングに対する誤解や、情報不足から生じる後悔の典型例です。
本記事ではフロアコーティングの選択を検討している方に向けて、フロアコーティングのメリットとデメリット、後悔する方の事例・失敗しないためのポイントを具体的に解説し、後悔する前に押さえておきたい内容を紹介します。
フロアコーティングの基礎知識
以下の3つについて簡単に紹介します。
- フロアコーティングとは何か?
- フロアコーティングの種類と特徴
- 床ワックスとの違い
フロアコーティングとは何か?
フロアコーティングとは床に特殊な液体を塗布し、乾燥させることで保護膜を形成する施工方法です。
これにより、床が水や汚れから守られ傷がつきにくくなります。
さらに掃除がしやすくなるため、家庭での日々のお手入れが楽になります。
主に以下の点がフロアコーティングの大きな利点です。
- 水や汚れに強い
- 傷がつきにくい
- 掃除が簡単になる
このようにフロアコーティングは新築の家だけでなく、リフォーム時にも選ばれることが多いです。
中にはペット用のタイプで床が滑りにくくなる種類もあります。
フロアコーティングの種類と特徴
フロアコーティングには様々な種類があり、それぞれに独自の特徴とメリット、デメリットがあります。
主に以下のタイプがあります。
コーティングタイプ | 耐久性 | 特徴 |
---|---|---|
ガラスコーティング | 20年以上 | 汚れや傷に非常に強く、透明度が高いため床の見た目を損なわない。耐水性に優れ、水回りでも使用可能。 |
UVコーティング | 20年以上 | UVライトで瞬時に硬化し、施工時間が非常に短い。耐摩耗性や耐薬品性に優れ、商業施設向けにも適している。 |
シリコンコーティング | 10年から20年 | 柔軟性が高く、床の微細な動きに対応しやすい。耐UV性と耐熱性を兼ね備え、色あせしにくい。 |
ウレタンコーティング | 5年から10年 | 耐衝撃性に優れ、歩行時の音を軽減。多様な用途に対応し、比較的手頃な価格で提供される。 |
アクリルコーティング | 短い(比較的低い) | 速乾性があり、施工後すぐに使用できる。コストが低く、メンテナンスも容易。 |
水溶性ウレタンコーティング | 通常のウレタンより低い | 水を使用しており、低臭で室内の使用に適している。再塗装が容易で、環境負荷が低い。 |
水性アクリルコーティング | 通常のアクリルより低い | 環境に優しい水性塗料を使用。臭いが少なく、屋内での使用に最適。メンテナンスが容易。 |
それぞれ耐水性や耐摩耗性・美観維持など、フローリングの保護と維持を目的としていますが、施工方法や費用はコーティングのタイプによって異なります。
決める際は、使用環境や予算・保護したいフロアの特性を考慮すること重要です。
床ワックスとの違い
フロアコーティングと床ワックスの主な違いを以下の表にまとめました。
特性 | フロアコーティング | 床ワックス |
---|---|---|
耐久性 | 長期間(5年以上)、メンテナンスがほとんど不要 | 定期的なメンテナンスが必要、耐久性は短い |
保護機能 | 傷、UV光、水濡れに強く、高い保護を提供 | 表面的な保護はあるが物理的ダメージには弱い |
見た目と質感 | クリアコーティングで本来の美観を保持 | 光沢があり、見た目を一時的に向上させる |
コストと施工時間 | 初期コストは高いが長期的にはコスト効率が良い | 初期コストは低いが、維持にコストがかかる |
新築に施工する場合のフロアコーティングのメリットとデメリット
メリット:耐久性とメンテナンスの容易さ
フロアコーティングの最大の利点は、床の耐久性が向上し、日々のお手入れが簡単になることです。
新築時におけるメリットは以下の3つです。
- 床材の耐久性が向上する
- 日々のメンテナンスが楽
- 物がないので施工時間や荷物の移動が不要
床にコーティングすることで、傷やへこみがつきにくくなるため、長期間にわたって美観を保つことができます。
また、汚れが床に染み込むのを防ぎ、さっと拭くだけで綺麗になります。
床用の洗剤やクリーナーシートを購入する必要が少なくなり、経済的です。
特に子どもやペットがいる家庭では、食べ物のカスによる汚れや、爪による引っかきキズから守ってくれるので、おすすめです。
床の耐久性が高まるため、10年後・20年後もキレイな状態がつづくため、床材の張替えなどのリフォーム費用を抑えることが可能になります。
新築時の住む前の状態であれば家具・家電など、荷物を移動する手間もかかりません。
デメリット:初期費用と施工時の問題点
一方で、フロアコーティングにはデメリットも存在します。
主な問題点は費用と施工するコーティングの種類の2つです。
費用は、施工面積やコーティングの種類によって異なりますが、1回あたり最低でも5万以上はかかります。
また、コストを抑えたいからといって、材料の種類や施工業者を価格だけで選ぶと後悔しやすいのでご注意ください。
以下に主なフロアコーティングの種類ごとに、おおよその価格範囲を表にまとめてみました。
これらの価格は一般的な家庭のリビングやダイニング(約20平米)を基準にしています。
※価格は地域や業者、床の状態によって変わることがあるため、あくまで目安としてください。
コーティングの種類 | おおよその価格範囲 | 特徴 |
---|---|---|
ウレタンコーティング | 50,000円〜70,000円 | 耐久性が高く、傷がつきにくい。家具の移動などにも強いです。 |
シリコンコーティング | 60,000円〜80,000円 | 柔軟性があり、細かい傷からの自己修復能力があります。光沢感が高いです。 |
アクリルコーティング | 40,000円〜60,000円 | 安価で施工が容易、紫外線に強く色あせしにくいです。 |
エポキシコーティング | 70,000円〜100,000円 | 非常に硬く、耐久性がありますが、施工には技術が必要です。 |
ガラスコーティング | 80,000円〜120,000円 | 光沢があり、撥水性に優れ、清掃が容易です。 |
UVコーティング | 80,000円〜120,000円 | 施工後すぐに硬化し、作業時間が短縮されます。長期間の耐久性と美観を保証します。 |
各コーティングには独自の特徴があり、特徴やコストを理解することで、自宅に合った最適なものを選べるようになります。
また、施工には専門的な技術が必要であるため、実績のある業者を選ぶことが望ましいです。
新築時にフロアコーティングを後悔する理由
費用対効果の不一致
新築の家にフロアコーティングを施したものの、その費用に見合った効果が感じられないことが、後悔の原因となることがあります。
以下にその理由をまとめました。
- 高額な初期投資
- 特に高品質なコーティングを依頼した場合、費用が高くなります。
- 初期費用に見合うだけの長期的なメリットが感じられない場合があります。
- 期待した耐久性が得られない
- 床の使用状況によっては、予想以上に早く劣化することがあります。
- 子どもやペットがいる家庭では、想定以上のダメージが床に及ぶことも。
このような状況では、投じた費用に対して、十分な価値が得られていないと感じることが一因となり、後悔につながるのです。
期待した効果が得られない場合
フロアコーティングを施す目的は、床の保護と美観の向上にありますが、期待した効果が得られない場合も後悔の原因となります。
具体的な点は以下の通りです。
- 汚れ防止の効果が低い
- コーティングされたにもかかわらず、汚れが付着しやすい、落ちにくいという問題が発生することがあります。
- 特に明るい色の床材では、汚れが目立ちやすくなることも。
- 見た目の変化に不満
- コーティング後の光沢が予想と異なり、自然な見た目を好む方には不向きかもしれません。
- 期待と異なる仕上がりにより、インテリアの印象が変わってしまう場合があります。
これらの理由から、期待していた効果とのギャップが生じ、後悔することがあります。
施工不良によるトラブル
フロアコーティングの施工が不適切であると、様々なトラブルが発生することがあります。
施工不良の一般的な問題を以下に挙げます。
- 気泡が入る:
- コーティング施工中に気泡が入ると、見た目が損なわれるだけでなく、耐久性にも影響します。
- 気泡が原因で、コーティング層が剥がれやすくなることがあります。
- 均一でない塗布:
- 施工業者の技術不足により、薄く塗られた部分と厚く塗られた部分が出てしまうことがあります。
- 塗布が不均一であると、耐用年数に差が出てしまうことがあります。
これらの施工不良は、最終的に満足のいく結果を得られないことにつながり、後悔することに繋がります。
その為、価格だけでは選ばずに、サービスや技術・施工件数・口コミなどの情報も加味して、業者の選定が重要です。
新築フロアコーティングの選び方
どのコーティング材を選ぶべきか?
新築の床をコーティングする際には、どの材質を選ぶかが重要です。
選択肢に応じて、以下の点を考慮しましょう
- ウレタンコーティング:耐久性が高く、傷がつきにくい。重い家具を置いても変形や傷が少ないため、活動が多い家庭に適しています。
- シリコンコーティング:柔軟性があり、微細な傷に対して自己修復機能を持つ。光沢があり、見た目を美しく保ちたい空間に最適です。
- アクリルコーティング:コストパフォーマンスに優れ、紫外線に強く色褪せにくい。短期間で施工できるため、時間とコストを抑えたい場合に適しています。
- ガラスコーティング:非常に高い光沢があり、撥水性に優れているため、水や汚れが床に染み込みにくい。美観を長持ちさせたいエリアに適しています。
- UVコーティング:UV光で瞬時に硬化するため、施工時間が短く、すぐに床を使用できるようになる。耐久性が非常に高く、長期間に選択を行う際は、以下の追加的な考慮事項も重要です
それぞれ特徴が異なりますので、お住まいの環境やライフスタイル、予算に合わせて選ぶことが大切です。
最適な選択をすることで、長期間にわたり床を美しく保つことができるでしょう。
施工業者の選び方と注意点
良い業者を選ぶためのポイントは以下の通りです。
- 実績と評判の確認:
- 長年にわたる施工経験があり、良い評判を持つ業者を選びましょう。
- インターネットでの評価や、知人からの推薦を参考にすると良いです。
- 見積もりと説明の明確さ:
- 施工内容、使用材料、費用などを明確に説明してくれる業者を選びましょう。
- 不明点があれば、契約前にしっかりと質問して解消してください。
- アフターサービスの充実:
- 施工後のフォローアップや保証がしっかりしている業者を選びましょう。
- 万が一の問題にも迅速に対応してくれる業者であることが望ましいです。
これらの点を基に業者を選定することで、施工後も安心して生活を送ることができます。業者選びはフロアコーティングの満足度を大きく左右するため、慎重に行うことが重要です。
フロアコーティングを失敗しないために事例を知っておく
満足のいく結果にするには?
フロアコーティングの施工に満足する方の傾向例として以下の3つが共通して言えます。
- 事前の情報収集:施工業者の選定前に評判や実績をしっかり調べ、信頼できる業者を選ぶ。
- 正確な見積もり:予想外の追加費用が発生しないよう、事前に正確な見積もりを取得し、納得の上で契約を行う。
- 適切な材料選び:実際の生活環境や使用条件に合わせて、最適なコーティング材を選ぶ。特に子供やペットがいる家庭では、耐傷性や安全性を重視した種類を選ぶ 。
後悔する方の傾向は?
以下の点が主な原因です
- 費用対効果の不一致:期待していたほどの耐久性が得られず、費用が割に合わなかったと感じる 。
- 期待した効果が得られない:特にUVコーティングによる光沢が期待ほどでなかったり、時間が経つにつれて見た目が変わってしまう場合がある 。
- 施工不良:施工業者の技術不足や経験不足による施工ミスが原因で、不満を持つ方も。再施工が必要だったり、別途追加費用が発生することも 。
Q&A – よくある質問とその回答
フロアコーティングを施工するタイミングはいつがいい?
新築時やリフォーム直後が最も良いタイミングです。
特に、新築で家具を配置する前に施工することで、荷物の移動がなく手間を省けます。
リフォーム直後や、引越し後の家具がある状態でも施工は可能です。
住み始めてからでも問題ありませんが、床材にスリキズが付いた場合はキズが残ったままになるため、なるべく早く、キレイな状態での施工がおすすめです。
コーティングの持続期間は?
フロアコーティングの持続期間は、選んだ材質と日常の使用状況によりますが、一般的に以下の通りです:
- 持続期間:
- 通常:5年から10年間持続します。
- 材質によってはそれ以上持続する場合もあります。
- 維持のポイント:
- 定期的な清掃:床をきれいに保つことで、コーティング層を長持ちさせることができます。
- 重い物の移動や鋭利なものによる引っかき傷から床を守ることも大切です。
- 再コーティング:
- 劣化や傷が目立つようになったら、再コーティングを検討すると良いでしょう。
- これにより、床を新品の状態に近づけることが可能です 。
新築のフロアコーティングを後悔しないように
新築の住まいでは、フロアコーティングを施すことで床の美観を保ち、メンテナンスを簡単にするメリットがありますが、失敗すると後悔するケースも少なくありません。
後悔の理由としては、高いコスト、期待外れの耐久性、メンテナンスの手間などが挙げられます。
そのため、フロアコーティングを選択する際には、いくつかのポイントを事前に押さえておくことが重要です。
まず、どのタイプのコーティングが自宅の床材に適しているかを理解することが必須です。
さらに、施工業者の選定にも注意が必要で、実績のある信頼できる業者を選ぶことが後悔を防ぐ鍵となります。
また、コーティングのメンテナンス方法や期間も業者と事前に確認しておくべきです。
以下、特に重要な点を箇条書きでまとめます:
- コーティングの種類: 床材に合ったコーティングを選ぶことで、耐久性と美観を保てます。
- 業者選び: 施工実績と評判を確認し、信頼できる業者に依頼すること。
- コストと効果: 高い投資をする場合、その効果が期待通りであるか事前に確認すること。
- メンテナンス: コーティング後のお手入れ方法と頻度を知っておくこと。
これらを踏まえ、フロアコーティングはコスト以外にも注意し、環境に合った種類を選ぶことが重要です。