お米のとぎ汁には界面活性の役割となる「たんぱく質」が含まれており、汚れを落とす役割があります。参照元:タ ンパ ク質 の界面活性 と乳化作用
また「脂質・でんぷん」も含まれているため、ワックス効果もあると言われています。
お金をかけずに汚れを落とせてワックス効果があるなら、わざわざワックスや洗剤を買わなくて済みますが…
本当にそんな効果があるのか?
疑問に思ったので、実際にフローリングに使用し一般的な床ワックスとの違いを比較してみました。
この記事では、お米のとぎ汁にどんな効果があるのか?デメリットは何なのか?分かったことをまとめています。
これまでに100種類以上の床ワックスに関するアイテムを使ってきたマニア。使い方や商品の違いなど、初心者の方にも分かりやすく解説しています。ワックスに関する知識は日本一かも?
結論から言うと、試した結果。ワックス効果は無く、洗浄効果は少し?
効果があるのか無いのか、微妙な感じでした。
ワックスの効果とはそもそも何か?
ワックスには大きく3つの効果があります。
- 光沢による美観の向上
- 表面を保護しキズや汚れから守る
- 汚れを取れやすくする
ワックスの代表的な3つの効果
床ワックスを使用したことが無い場合、「光沢やツヤ」といわれてもイメージしにくいと思います。
下記は床ワックスを塗るとどのような光沢が出るのかを比べた写真になります。
左右で比べてみると、反射度合いが段違いなのが一目でわかります。
このように表面に薄い樹脂膜が形成されると、細かな凸凹が埋まると光の反射によってツヤがでます。
凸凹が埋まる分、汚れも拭く取りやすく掃除がラクになります。
また、形成された膜によってフローリング材への汚れやスリキズから守る役割があります。
ワックスの効果で間違って認識されていること
ワックスを塗ると「滑りやすくなる」イメージを持たれる方も多いですが実際は違います。
一般家庭で使用される床ワックス(主にフローリング用)には合成樹脂が使用されており、塗ると樹脂の膜により滑りにくくなります。
滑りやすい床ワックスとはロウワックスのことを指し、表面加工されていない無垢の木や無垢のフローリングに使用されるものです。
お米のとぎ汁がおすすめされる理由
前提として、お米のとぎ汁を床に使用することは科学的な根拠や十分な研究はなく、一般的に推奨されていません。
おすすめされる理由は下記の3つです。
- 自然素材で安全
- とぎ汁に含まれた成分で保湿できる
- ツヤが出る?
床の材質や仕上げによっては、お米のとぎ汁が適切ではなく、逆効果になる場合があります。
床材メーカーの指示や注意事項を確認し、適切な方法で床のお手入れを行うことが重要です。
自然素材で安全
お米のとぎ汁は自然素材であり化学的な成分を含んでいないため、環境に優しいと考えられています。
一部の方は化学的な洗剤やクリーナーに頼らずに自然素材のお米のとぎ汁を使って、床を保護できると考えています。
とぎ汁に含まれた成分で保湿できる?
お米のとぎ汁には保湿効果があり、肌を滑らかにする効果があるとされています。
この保湿効果を利用して床にも保湿効果を与え、床の美しさを保つことができると考えれています。
ツヤが出る?
お米のとぎ汁に含まれる成分が床の表面をコーティングし、光沢を与えると考えられています。
お米のとぎ汁を試した結果
実際にフローリング床に使用し、汚れ落ち度合い・光沢感を確認してみました。
簡単なワックスのスプレータイプとの比較もしました。
お米のとぎ汁で汚れを落とす効果はあるのか?
下記写真には軽度の汚れが付き、黒くなった部分に使用しました。
粘着性のある汚れに、ホコリが付いています。
布に染み込ませた後拭き取ると、汚れが取れましたが…
水に濡らした布でも十分に取れる軽度の汚れだったので、洗浄効果の判断は難しいです。
その後油汚れが付いた部分を拭き取ってみましたが、完全には取りきれず若干油分が残っている状態でした。
また、シミになった部分にも試してみると…
下の写真は、水に濡れたぞうきんで拭き取った後です。
次にお米のとぎ汁を布に染み込ませてから拭き取った状態です。
全体的にやや薄くなりましたが、円形のリング状のシミは変わりませんでした。
次に比較としてスプレータイプのワックスを使用してみました。
左上だけ残して、それ以外を拭き取るとご覧の通り、円形のシミがキレイに無くなっています。
使用したワックスは下記の商品です。
お米のとぎ汁で光沢は出ない
次にフローリングワックスのように光沢(ツヤ)がでるのか比較しました。
下記写真の右半分に使用してみます。
布に染み込ませたお米のとぎ汁で床を拭くと、弾いてしまい表面に玉になって残りやすいです。
何度も往復して拭き取ったあとを見ると…
全く変化なしでした。
何度か繰り返しましたが、見た目(ツヤ)は変わらなかったため、光沢は出ません。
お米のとぎ汁を試した人の口コミ
SNSでの口コミでは良いコメントがほとんどでした。
参考までにそれぞれのコメントをご覧ください。
「フローリングのつやを出したいけど、何かイイ方法なぁい?」値上げラッシュでお金に困っているアキちゃんが言うので「” お米のとぎ汁 ”でフローリングの床を磨くといいよ。ヌカに油の成分があってビックリするほどピカピカになる。他にも驚きの効果があるのは賞味期限切れの誰も思いつかない…..
久しぶりに晴れた気持ちの良い朝を迎えました昨日、お米のとぎ汁で床磨きをしたのですが、サラサラとそうですねっていて気持ちがいい皆様も良い
ずっとやろうと思ってたお米のとぎ汁床拭き。 やっと出来ましたー感想ー ・素足で歩いた時、足を踏み込んだ時のサラサラ感がいい。 ・気分がいい。子供にも安全な一日
お米のとぎ汁を使って床掃除キッチン周りはすぐ油汚れがつくので、定期的にお掃除するとスッキリ感が続いてよさそう
今日お米のとぎ汁で床掃除したけどピカピカになったよかったネットには色々良く悪く読んでるけど、私の家の床はいい感じのものは試し
お米のとぎ汁を、おすすめしない理由
おすすめしない理由には5つの問題点があります。
- 科学的な効果の根拠がない
- 衛生面の問題
- 床材にダメージを与える可能性がある
- 長期保存・再利用はできない
- 床のコーティングなどの保証が対処外になる
科学的な効果の根拠がない
お米のとぎ汁の効果は科学的な根拠がなく、効果の確証はありません。
床の種類や状態によっては、悪化する場合があるため注意が必要です。
今回試した限りでは、汚れ落ちの効果は少し?あった程度。
ワックスのようにツヤは全く出ませんでした。
衛生面の問題
お米のとぎ汁は生ものであり、菌や微生物が繁殖する可能性があります。
特に暖かい環境や放置した場合、細菌やカビの成長が促進されることがあるため、衛生面にご注意ください。
フローリング材の隙間から液が入り込み内部の木が腐食する恐れがあります。
床材にダメージを与える可能性がある
床材によっては、お米のとぎ汁が付着して汚れや変色の原因となる可能性があります。
また、フロアコーティングやワックスなどのコーティングが既になされている場合、コーティングで塗装した面に影響が起こり、お米のとぎ汁によって本来の特性や美しさを損ねる可能性があります。
長期保存・再利用はできない
保存期間が短く、鮮度を保つための防腐剤や保存料がほとんど含まれていません。
そのため長期間保存や再利用には不向きです。
とぎ汁を用意したらすぐに使用する必要があります。
床のコーティングなどの保証が対処外になる
床メーカーや施工業者の保証は、指定されたメンテナンス方法や製品に基づいています。
お米のとぎ汁を使用する場合、イレギュラーなメンテンナス方法になるため、不具合が起きても保証が適用されません。
まとめ:お米のとぎ汁にはワックス効果は無い
お米のとぎ汁についての効果やワックスとの違いを紹介しました。
SNSでの評価や口コミは良いものばかりでしたが、実際に床ワックスと比べてみると効果がほぼ無いことがわかりました。
使用の際は注意点が多く、実用的でないため自己責任でご使用ください。
また、お米のとぎ汁ではありませんが、米油と蜜ロウ・電解水などで造られたワックス効果のあるスプレータイプのワックスは販売されています。
特徴はアルカリ電解水を主成分としたワックスで、床に吹きかけて拭き取るだけで汚れを取りながらワックス効果を発揮します。
成分は天然原料とアルカリ電解水ですので、肌に優しく子供やペットのいる家庭でも安心して使用できます。合成樹脂が配合されたワックス特有な匂いもありません。
床ワックスの方がいいのかな?と思われた方は下記の記事を参考にしてみてください。