小学生の頃、昼休みの時間に教室のワックスがけを経験した方もいると思いますが、床ワックスを塗ると何が良いのか知ってますか?
学校で使用されているワックスは地域・年代によって異なりますが、ロウタイプと樹脂タイプのどちらかが使用されています。
ワックス=「滑りやすいイメージ」を持っている場合は学校でロウタイプのワックスを塗った方が多いです。
教室の床とは違い、自宅の床はフローリングですので樹脂タイプのワックスを使用します。
※床材が無垢材の場合のみ「ロウタイプ」を使用します。
これまでに100種類以上の床ワックスに関するアイテムを使ってきたマニア。使い方や商品の違いなど、初心者の方にも分かりやすく解説しています。ワックスに関する知識は日本一かも?
本記事では、9割以上が対象となるフローリングに使える樹脂ワックスのメリット・デメリットを解説しています。
- 床ワックスの効果
- ワックスがけのメリット・デメリット
- 初心者でも簡単に使えるのか?
床をキレイにしたい。
汚れやキズを付けたくない。という方には、床ワックスの他にフロアコーティングもおすすめです。
床ワックス7つの効果
床ワックスによって得られる効果は4つです。
- 床にキズ・汚れがつきにくい
- ツヤが出てピカピカになる
- 汚れが取れやすくなる
- 滑りにくくなる
- 抗菌性、菌やウイルスの増殖を防ぐ(※一部のみ)
- ツヤを抑え、キズを目立ちにくくする(※一部のみ)
- 白木や無垢材は水を弾きやすくなる(※一部のみ)
使い続ければフローリング材がキレイな状態が維持でき、床材の寿命を延ばせます。
長期的に使用すると、フローリングの劣化(毛羽立ち・ささくれなど)が起こりにくいため、30年後も床がキレイな状態です。
リフォーム不要で修繕費を抑えれます。
キズ・汚れが付きにくい
ワックスを塗ると、フローリングの表面にワックスの膜ができます。
塗る際は牛乳のような乳白色の液体ですが、乾燥すると硬い樹脂の膜になるため、スリキズや汚れからフローリング表面を保護する役割があります。
下の図は、樹脂膜でキズ・汚れから守るイメージです。
ワックスを塗っていれば、油性マジックなどの洗剤では落とせない汚れが付いた場合でも問題ありません。
ワックスを剥がす(溶かす)専用の洗剤「剥離剤」を使用すれば、ワックスの膜と表面に付いた汚れが一緒に取れるので、フローリングはキレイなままです。
「床に書いたラクガキ」や「床に落ちた食べ物の汚れ」など、ワックスの膜が無いとフローリング自体に汚れが固着したり、フローリングの接合部分(隙間)から汚れが入り込み内部からも傷めてしまいます。
ツヤが出てピカピカになる
表面に加工されていないフローリングの場合、目で見ても分からないですが表面が凸凹しています。
凸凹により光が乱反射するので、ピカピカに見えません。
ワックスを塗ると表面の凸凹が埋まり、平らな膜によって光が均等に反射するので輝いて見えます。
ワックスには光沢が弱いものや、つやなしタイプがあるため、キズ・凹みが気になる方やピカピカにしたくない方におすすめです。
つやなしワックスは光沢のあるワックスとは違い、塗った被膜が平らになりません。
床の表面の凸凹に合わせて、ワックスの膜も同じように凸凹になります。
ワックスを塗った床・ツヤがあるフローリング材は効果が弱いです。
フローリングにツヤがないメリットは、光沢がないので落ち着いた空間になります。
寝室や書斎など、リラックス・集中したい部屋に使うのがおすすめです。
汚れが取れやすくなる
ワックスを塗っていないフローリング表面は細かな凸凹があるため、凸凹に入った汚れは取りにくいです。
ぱっと見はキレイになったと思っていても、汚れが残っている場合も…
放置していると、雑菌が繁殖したりフローリングの腐食(音鳴りの原因)に繋がります。
ワックスを塗ると凸凹が無くなり、軽く拭き取るだけで汚れが取れやすくなります。
滑りにくくなる
床ワックスは滑りやすいイメージをお持ちの方も居ると思いますが、フローリングに使用する樹脂ワックスは滑りにくくなります。
合成樹脂の効果によって歩行時に床との摩擦が高まるため、滑りにくくなります。
ペットがフローリングで滑らないためのワックスも販売されています。
パッケージにワンちゃんの写真が入っていたりしますが、人にも効果があります。
高齢者や小さな子供がいる家庭にも使用できます。
価格が高いワックスほど滑りにくくなる傾向があります。
抗菌性、菌やウイルスの増殖を防ぐ
一部の樹脂ワックスの中には被膜に抗菌性を持たせることで、菌やウイルスの増殖を防ぐタイプもあります。業務用では主に病院の床や介護施設の床などに使用されています。
抗菌ではありませんが、白木用のワックスでは木にカビが生えないようにするための防カビ剤が入っているものもあります。
ツヤを抑え、キズを目立ちにくくする
細かいスリキズ程度なら溝を埋めることでキズを隠すことができますが、キズが深い場合は光沢が高いほど目立ちやすいデメリットがあります。
ワックスの種類は少ないですが、逆にツヤを抑えることにより、キズを目立ちにくくする方法もあります。光沢が低いタイプや、ツヤ無し・ツヤ消しタイプなどがあります。
白木や無垢材は、水を弾きやすくなる
白木や無垢材にはロウタイプが主流です。表面にロウを塗ることによって、水弾きが良くなり木の腐食やカビの発生から守ります。
ロウタイプのワックスには固形と液体のタイプがありますが、撥水性が高いのは「固形」タイプです。
フローリングワックスのデメリット
デメリットは3つです。
- 水に弱い
- 定期的な塗り直し・剥離作業が必要
- 剥離作業が大変
水に弱い
樹脂によって固まるものの、ワックスは水性で出来ているため水に濡れたまま放置していると表面が溶けて剥がれたり、ワックスの膜が白く変色します。
ワックスが剥がれた場合、再度塗り直す必要があります。
また表面が白くなった場合は、基本的に剥離して取り除く作業をおこないます。
部分的な剥離方法は下記の記事にて解説しています。
中には耐水性の高いワックスもあります。
キッチン周りなどの水ハネしやすい箇所におすすめです。
定期的な塗り直し・剥離作業が必要
ワックスには耐久期間があり、基本的に6ヶ月~2年です。
6ヶ月のタイプは半年に1回の塗り直し、2年なら2年に1回です。
耐久期間が長いものが作業頻度が減るのでおすすめですが、価格もその分高いです。
何度も重ね塗りしていくと、ワックスの古い膜と新しい膜の間に汚れが蓄積していき、徐々に床が黒ずんできます。
歩行頻度や塗った場所の環境により異なりますが、6~8回のワックス塗布に対して1回の剥離作業が必要になります。
具体的にはワックスを6回塗って1回剥離する場合
- 耐久期間6ヶ月 : 3年に1回剥離
- 耐久期間1年 : 6年に1回剥離
- 耐久期間2年 : 12年に1回剥離
使用するワックスにより作業負担が変わります。
剥離作業が大変
床ワックスがけは初心者でも簡単にできますが、剥離作業は慣れていても大変です。
1部屋(6畳)やるだけで2~3時間かかります。
作業工程は下記の記事にまとめています。
何年も塗り重ねてきたワックスは1回の剥離作業で完璧に取り切るのは難しく、部分的に残ってしまうことがあります。
苦労して作業したのに、同じことをもう一回。と考えると時間や労力がもったいないので、ハウスクリーニングの業者に依頼するのがベストです。
おすすめのフローリングワックス
Amazonや楽天でも人気なワックスを下記項目ごとに紹介します。
- キズから保護したい
- 手軽に使いたい
- 滑り止め効果を求めるなら
キズから保護したい
ラグロン社のワックスで、耐久期間は最長の2年間と長持ちします。
他のワックスとの違いは被膜が硬く(鉛筆の芯だと4Hの硬さ)フロアコーティング並みの性能があります。
耐久期間とキズの付きにくさで選ぶなら1番おすすめです。ツヤも高い部類です。
手軽に使いたい
手軽にワックスを塗るなら、シートタイプがおすすめです。
しっかりしたワックス効果を得たいなら、ワックス効果のみのシートタイプを使用ください。
耐久期間は4ヶ月です。
4枚入りで個包装になっており、1枚で約6畳分使えます。
ボトルタイプ(本格派)と同様のワックスが専用のシートに染み込んまれているので、掃除用のワイパーの先端に付けてそのままワックスを塗れます。
さらに手軽に使いたい場合には、クリーナー成分が入っているワックスシートがおすすめです。
耐久期間は1ヶ月。実際は1~2週間程度?とワックス効果は短いですが、ワックス効果と床の洗浄が同時にできます。
10枚入り1枚で約2畳分使えます。
滑り止め効果を求めるなら
滑り止めに特化したワックスを比べた結果、最も性能が高いワックスでした。
耐久期間は約6ヶ月で30畳分使用できます。
簡単にできるシートタイプもあります。
ワックスの種類が多くて何が良いのか分からない方には下記の記事を参考にしてみてください。
ワックスは低コストでキレイなまま床を維持できる
床ワックスの他にフロアコーティングやニス塗りなど同様の効果を得られる塗料がありますが、最も簡単で低コストでできるのはワックスになります。
塗り直しの手間はかかりますが、メリットもあります。
ワックスがけのメリットとデメリットをまとめると
塗り直しの手間はかかりますが、短くても半年に1回程度です。
得られる効果を考えると、やって損は無いと思います。
初心者の方でも簡単にできますので、使用してみてください。
ワックスを選ぶ場合は床に対応しているか?目的に合った性能があるか?確認してからお選びください。