【樹脂とロウの違い】無垢材に樹脂ワックスが使えない理由

  • URLをコピーしました!

床ワックスは大きく分けると、「樹脂タイプとロウタイプ」に分かれています。

主流は樹脂タイプのワックスで、フローリングの表面をコーティングします。

対して木の内部へワックスを浸透させて、ツヤや木の耐久力をあげるものがロウタイプになります。

フローリングの材質によって樹脂かロウか、使用できるワックスが決まっています。

間違えて使用すると取り返しつかなくなるのでご注意ください。

筆者のプロフィール

これまでに100種類以上の床ワックスに関するアイテムを使ってきたマニア。使い方や商品の違いなど、初心者の方にも分かりやすく解説しています。ワックスに関する知識は日本一かも?

こんな場合にはご注意!
  • 初めて樹脂ワックス・ロウワックスを使う
  • 床ワックスを詳しく知らない
  • SNSを見てロウタイプのワックスに興味を持った
  • 無垢材に使うワックスを知りたい

無垢材(無垢フローリング)にはロウタイプ。

合板フローリングには樹脂タイプを使用します。

逆のパターンで使えない理由も含めて解説します。

目次

床材に合わせて選ぶ

  1. 合板フローリングには樹脂ワックス
  2. 無垢材にはロウワックス

この2点さえ間違わなければ問題ありません。

合板フローリングにはグレードがあり、特に挽板(ひきいた)材の床は無垢フローリングと見分けがつかないものがあります。

無垢材のような合板フローリングに注意

一見すると無垢フローリングに見える床でも合板フローリングだった。ということもあります。どちらの床かはっきり分からない場合は、住宅業者にご確認ください。

樹脂ワックス・ロウワックスの違い

下記は「樹脂・ロウ」の違いをまとめたものです。

樹脂タイプ
ロウタイプ
  • 一般的な合板フローリングに使用
  • 塗った後は乾いて終わり
  • 人工的なツヤがでる
  • 床材表面に膜ができる
  • はくり剤で剥がすことができる
  • 床ワックスの8割はこのタイプ
  • 天然の木・無垢材には使用できない
  • 天然の木、無垢材に使用
  • 塗った後は乾拭きが必要
  • 自然なツヤがでる
  • 床材の内部に浸透し内側から守る
  • 浸透するため剥がせない
  • 天然素材で出来ている物が多い
  • 樹脂タイプより手間がかかる

どちらかのワックスを使用すると、もう片方の種類は使用できません。

例えばロウタイプのワックスを使用した場合→上に樹脂タイプは使用できません。逆も同様です。

樹脂ワックス・ロウワックスの特徴

造膜型・浸透型塗料に分かれます。

造膜型塗料(樹脂タイプ)
浸透型塗料(ロウタイプ)
  • 木材に染み込まずに木材表面に塗膜を作るので耐水性、耐久性に強い
  • 塗膜で覆うため触った時の木材の質感は失われる。
  • ペンキやニスも同様
  • 木材に塗膜を張らずに木材の内側に浸透することによって木を守る
  • 紫外線や雨などから保護するため野外で使用する塗料が多
  • 防腐・防カビ剤が入っているものが多い

造膜型塗料→合板フローリング

浸透型塗料→無垢フローリングです。

ロウワックスは滑りやすくなりますが、樹脂タイプのワックスは逆に滑りにくくなります。

樹脂タイプの特徴

樹脂タイプの代表的なワックス

下記は樹脂ワックスが適した床です。

  • 合板フローリング材
  • ビニール床(クッションフロア・Pタイル)
  • コルク床(一部商品のみ))
  • 石床(玄関やベランダなど一部のみ)
  • 床暖房の床
  • フロアコーティングされた床
  • ワックスフリーの床

※ワックスの種類によっては樹脂ワックスでも対応していないことがあります。

大きな特徴は、使える範囲が広く塗って乾燥させるだけなので作業負担が少ないです。

樹脂ワックスが使用できない床
  • 無垢材の床
  • ステイン塗装の床
  • 室外の床(水で濡れる部分)
  • ロウワックスが塗られた床

樹脂ワックスの主成分は水性樹脂なため、ステイン床・ロウワックスが塗られた床は表面が油性のため、弾いてしまいます。

また、無垢材は染み込み変色する可能性があります。

樹脂ワックスはマニュキュアに似ている

塗って乾かす度に、ワックスの膜が積み重なっていきます。

乾燥時間は約30分。

天候や季節によっては1時間かかる場合もあります。

目次に戻る

ロウタイプの特徴

ロウタイプでおすすめのワックス

一般的には無垢材や白木・ステイン加工された床が対象です。

特徴は、木の内部に浸透し内側から保護する役割があります。

また原料は天然のものだけで作られているものが大半ですので、ペットや赤ちゃんのいる家庭でも安心です。

塗った後に乾拭きが必要なため、樹脂ワックスに比べて手間がかかります。

ロウタイプのワックスは細かく分けると3種類あります。

  1. 「油性」→ろうを有機溶剤に溶かし分散させたもの
  2. 「乳化性」→ろう・油脂を有機溶剤に溶かし、乳化したもの
  3. 「水性」→ろう・油脂を乳化させたもの

近年では乳化性や水性タイプは数少なく、主流は「油性」タイプです。

ロウタイプは塗り込む(車用ワックスに似ている)

ロウワックスは塗り終わった後に、乾いた布で磨くと表面が平らになりツヤがでます。

素材の内側にも浸透するため、表面だけでなく内部から汚れや水から守るのでカビが生えにくいです。

使い方はスポンジやタオルで力を入れずに塗り広げ、最後に乾いた布で乾拭きします。

樹脂タイプのワックスとは違い完全に乾燥するまでは時間がかかります。(最低でも半日以上は放置)

目次に戻る

無垢材に樹脂ワックスが使用できない3つの理由

塗ってはいけない理由は3つです。

  • 染み込む(木が腐ることがある)
  • 無垢材の質感を損なう(剥がせない)
  • 剥離剤が使えない(変色する)

染み込む(木が腐ることがある)

木の内部まで染み込み、水分によって木が曲がることがあります。

またロウタイプと違い、樹脂ワックスは水性なためカビが生えて腐ってしまう場合も…

無垢材の質感を損なう(剥がせない)

樹脂ワックスは床材表面に膜を張ることによって汚れやキズがつくことを防ぎますが、染み込んでしまうため効果がありません。

水に濡れたような状態になるだけで表面の木が毛羽立って、無垢材の良さ(質感や肌触り)が無くなります。

剥離剤を使えない(変色する)

剥離剤の成分により、使用すると必ず変色します。

洗剤成分によって木がヤケてしまうのでご注意ください。

紙やすりで地道に削れば、剥がせますがめちゃくちゃ大変ですし、ベルトサンダーなど電動工具は削りすぎてしまうのでおすすめできません。

違うタイプに変える方法

ロウワックスを塗った床は変更できない

ロウワックスを塗った床には、ロウワックスを塗り続けるしかありません。

変えれない理由

木の内部に染み込み、削っても残る場合があります。ロウが残っていると樹脂ワックスを弾いて塗れません。

無垢フローリングから合板フローリングへ張替え(リフォーム)をおすすめします。

樹脂ワックスからロウワックスに替える方法

前提として樹脂ワックスは剥離剤で剥がせますが、一般的な合板フローリングなどの表面加工されているものにロウワックスは使えません。

無垢材に剥離剤を使うと変色します。ご注意ください。

目次に戻る

無垢材にはロウワックスを使う

無垢材は合板フローリングにはない「木」本来の特性があります。

無垢材は調湿効果があり、肌触りが良い

  • 2度拭きがめんどくさい
  • 種類が多いのは樹脂タイプ

からといって間違えないようにご注意ください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

フローリングワックスのマニア。これまでに使用したワックス関連品は100種類以上。ワックスの塗り方・剥がし方、商品の性能・特徴などを忖度なしで紹介。

目次